『瞳は静かに』というアルゼンチン映画(2009年)を観ました。ちなみに原題はAndrés no quiere dormir la siesta(「アンドレスは昼寝(シエスタ)をしたくない」)というとてもいいものですが、邦題をここまでねじ曲げてよいのだろうかと若干疑問に思います。とりわけ映画の内容と邦題に何の関係もないので。
舞台は1970年代軍政下のアルゼンチンで、アンドレスという7、8歳くらいの男の子が主人公です。軍政を扱う映画は多くありますが、この作品からは不思議な印象を受けました。映画の展開がアンドレスの視点を軸にしている一方で、この時代の評価自体も子どもの視角を尊重していることが、不思議な後味の理由かもしれません。すなわち、ここでは軍政時代の「大人のシステム」を子どもがどう見ていたか、それをどのように感情的に、身体的に処理するよう強いられていたかを描き出すことで、弾圧者=悪で、拷問され殺された左翼活動家=犠牲者という図式が非常に相対化されています。しかしながら、単に子どもたち=天使・犠牲者という物語でも決してなく、彼ら自身の冷酷さまで重層的に語られている点で、すごい映画だと思いました。『ぜんぶ、フィデルのせい』というフランス映画(2006年)にも似た視点があります。
今週飯田橋のギンレイでウルグアイが舞台の映画をやっているみたいなのですが、多分行けないな。最近映画館で観たものといえば、ドラえもんとシュガー・ラッシュくらい。まあ、ポップコーンのすすむ子ども映画も楽しいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿